タパヌリ熱

"What do you know, pray, of Tapanuli fever?" said Sherlock Holmes. 音楽や本など、嘘や発見を書くブログ。旧ブログ http://ameblo.jp/baritsu/

巻き舌のやり方

突然スペイン語を勉強しはじめたので、巻き舌 tongue trillを習得しなければならなくなった。
子供のころ、弟が得意げにルルルルル~♪とやっているのをうらやましく見てた思い出があるのだけど、しかしながら練習したら、たった一ヶ月程度で、できるようになった。巻き舌は、ヘビースモーカーで肺活量の少ない、舌の短いおっさんでも、一ヶ月で習得できます。

私がやったのは、ごく有名なもので、『サッポロラーメンとろろ芋』または『pru pra pru pra』を連呼する方法。私の場合、最終的に練習に使ったのは、「サッポロ」、さらには「ポロ」の部分だけ。この部分を発音してると、そのうち舌が ふるえるのが感じられるはず。
音声学の専門的なことはわからないがこの「サッポロ」、「ッ」の声門閉鎖、pの破裂音、母音oの口のかたちなどが相まって、「巻き舌入門」としてナイスな環境を形成しているのだと思われる。母音がiとかeだと難易度が高い。

この感覚を保って、成長させるだけ、そう思ってからが、長かった。
その後、一ヶ月間の練習のほとんどが、いかにしてこの「ポロッ、ポロロッ」から「ポロロロロ~」へ進化するのか?というもんだいに費やされました。振動が一瞬で終わってしまう。
ぶっちゃけ、一時は、絶望した…


そこで、いろいろ調音の工夫をする。
・呼気を強くした(眩暈がしてきた。普通の息でOK)

・口の形をいろいろ試したり(結局、普通に「サッポロ」という時の形でOK)

・舌の筋トレに手を出したり(5分間で挫折)

いろいろやりました。
・複式呼吸...わたしは座禅やってたから普通にできるのだけど、巻き舌には、あんまり関係ないです。

結局のところ、口腔の断面図を睨んで舌の位置を調節したり、舌の筋肉トレーニングを日々実践したり、そういうことは、ひょっとしたら確実で効率的なのかもしれないが、必須ではないと思われる。
(声楽などのための巻き舌などならば、話は変わってくるのかもしれないが)
また、遺伝的要因というのも、よほど舌が短いといったことがなければ、たぶん問題にならないのではないか、と思われる。

結局、わたしの場合は、舌先の位置を微妙に変えたことが決め手になりました。
歯茎の上、口腔が深くえぐれるところの前にでっぱりがあると思いますが、だいたい舌先はそのあたりで震える。舌を口腔の天井方向に丸める「反り舌」ではない。
そこから自分なりの感覚で微調整。

あくまで微調整であって、てきとう。フィーリングです。

むずかしく考えることは何もなし。つまるところ、多少の試行錯誤はありつつも、「サッポロ」を言い続けているうちに、自然にできるようになります、としか言い様がなく。

たぶん、誰でも、やりつづけていれば、ブレイクスルーの瞬間が絶対にあるはず。

しかし、スペイン語のrr音は、perroとか、Israelとか、honraとか、「サッポロ」より難易度の子音連続があり、先は長いのだった…

(旧ブログ2014年1月29日からの転載)