Evelyn, A Modified Dog / Frank Zappa
エヴェリン、改定された犬/フランク・ザッパ(歌詞和訳)
Evelyn, a modified dog
Viewed the quivering fringe of a special doily
Draped across the piano, with some surprise
エヴェリン、改定された犬は、驚きのまなざしをもって
ピアノの上に広げられた
特別製のレース飾りの震えるひだを眺めた
※doily レース編み
In the darkened room
where the chairs dismayed
and the horrible curtains
muffled the rain
She could hardly believe her eyes
夕闇の部屋に
あんまりなデザインの椅子が並び
醜いカーテンが
雨音を弱めていた
彼女は自分の見たものに目を見張った
※dismay (他動詞)がっかりさせる
※muffle 鈍らせる、(音を)こもらせる
A curious breeze
A garlic breath
which sounded like a snore
somewhere near the Steinway (or even from within)
had caused the doily fringe to waft & tremble in the gloom
奇妙な微風、
イビキのような音をたてる
ニンニク臭い息が、
スタンウェイのそばから(或いはむしろその中から)
薄闇の中で
レース飾りのひだを、僅かに震えさせていた
※waft(風にのって)ふわりとさせる
※steinway スタンウェイ、有名なピアノメーカー
※gloom 闇
Evelyn, a dog, having undergone
further modification
犬のエヴェリンは経験から、更なる改定を受けた
※undergo 受ける、経験する
pondered the significance of short-person behavior
in pedal-depressed panchromatic resonance
and other highly ambient domains . . .
Arf she said
彼女は思考した…
踏みっぱなしのペダルの汎=調性的な残響の中に抑圧された
小さな人々の行動の意義、
およびその他の、彼らを取り巻く高度な環境領域について…
わん、と彼女は言った
※short-person behavior ピアノの中に住んでる人々(後述)
※pedal-depressed
press(押す)とdepress(抑圧する)をかけてる。
子供のころ、ペダル踏みっぱでピアノの鍵盤をめちゃくちゃに叩いてみた人も多いだろう。
ここでは、その音響のことを言っている。
私は夜9時にそれをやってて楽しくて止まらなくなり隣の部屋で寝てた祖父にめっさ怒られた。
※modify, modification 改造、修正
ザッパがどういう意味でこの単語を使ってるのかわからないが、
"Evelyn, a dog, having undergone further modification"で
微かに震えるレース飾りの知覚という経験からmodifyされた、と書いてるので、
modifyは経験により自己が再定義される、ようなニュアンスかと。
それでなんか「改定」と訳した。
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人気作"One-Size Fits All"収録の謎曲。
ジョージ・デュークのピアノとザッパの歌だけの地味な曲で、
夕闇の部屋の中で微かに震えるレース飾り、というミニアチュア的な描写が
奇妙に印象に残る短編作品。
Wiki Jawakaによると、このエヴェリンはザッパ的には「ハリモグラ(エキドナ) echidna」だとのこと。
それによると、L.A.動物園が当時、動物たちのエサ代を支払って、
いわば「飼い主」になれるキャンペーンを実施しており、
ザッパ家はエキドナの飼い主になったとのこと。
他のザッパ曲でエキドナに言及してるものに"Echidna's Arf"がある。
だから、ザッパ宇宙ではハリモグラ=改造犬なのだが、
同時に、犬はザッパ宇宙では(それがハスキー犬でないならば)
プードルであり、プードルは(理由は不明だが)下ネタであり、
プードルが下ネタでないときには、それは哲学者として現れる。
この曲でエキドナ=改造されたプードルは明らかに下ネタではないので、
エヴェリンは哲学者となっており、レース飾りの震えという知覚から
の経験を得て、「更に改定され」
「ピアノの中の人々」について思考する。
だがそれについてのエヴェリンの結論は一言「Arf わん」なのだが。
ピアノの中の人々、とは現代人の存在状況のメタファーなのだが、
初出は1968年のザッパ初のソロ"Lumpy Gravy"で、
遺作"Civilization Phase III"のテーマにもなっている。
