2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧
革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ かくめいか/さくしかに より/かかられて/すこしずつ えきか/してゆくぴあの 塚本邦雄 革命歌の作詞家がよりかかって、液状になるピアノ。 第一歌集『水葬物語』所収歌。 ●韻律 字数は四句8音…
ひら仮名は凄じきかなはははははははははははは母死んだ仙波龍英ひらがなは/すさまじきかな/ははははは/ははははははは/ははしんだ一睡もしてない状態で書いてるので、意味不明かもだが。「かな」のパロディ的な文語調を交えた口語歌。「すさまじ」現代…
家々に釘の芽しずみ神御衣のごとくひろがる桜花かな いえいえに/くぎのめしずみ/かむみその/ごとくひろがる/さくらばなかな 大滝和子 小説家の小林恭二主催の歌合(うたあわせ)の模様を収録した、『短歌パラダイス』(岩波新書)。その歌会で提出された…
グレゴール・ザムザはある朝目がさめると、「毒虫」に変身していた。 ゲオルク・ベンデマンは、突然威厳を帯びてたちあがった父から「判決」をうけ、川に飛び込んだ。その瞬間、橋の上に無限の雑踏が始まった。 フランツ・カフカ(1883-1924)の『変身』の意…
大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも 北原白秋 おおきなる/てがあらわれて/ひるふかし/うえからたまごを/つかみけるかも 第二歌集『雲母集』(きららしゅう、大正4年)の歌。 三句切れ。意味は、 大きな手が現れて、しんかんと真昼間…
雉子焙かれつつ昇天のはねひらく 神無き母に二まいのてのひら きじやかれ/つつ しょうてんの/はねひらく/かみなきははに/にまいのてのひら 塚本邦雄 第四歌集『水銀伝説』収録歌。 上句を見た瞬間、かっこいい、と思ったのですが、下句が難解で、ぶっち…
オルゴール少女サブイベントの真のエンディング(?)。 ヤーナム市街のオルゴール少女に、お母さんのブローチを渡した後の、アンチ・カタルシス的な展開。 苦労してイベントを進めた結果が、これです。 全てのプレイヤーが「……」と思ったでしょうが、現在の…
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや寺山修司 富沢赤黄男の俳句、 一本のマッチをすれば湖は霧の本歌取り、というか、パクリ。新古今時代以来の本歌取り論に従えば、本歌取りは、既存の作品の独自表現は使わない。これは、富沢の作品…
前川佐美雄の第二歌集『大和』を買ったぜヒャッハーという話、書いた。さっき。 それで、「前川佐美雄」で何気なく検索してみたら、第一歌集『植物祭』所収の歌が中学校の教科書に載ってる?らしく、どう解釈するのか?という質問がヒットしました。 それで…
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ 前川佐美雄 古書肆で、前川佐美雄(1903-1990)の第二歌集『大和』(昭和15年(1940),甲鳥書林)、ゲッツ。定価、一圓七十銭なり。缶コーヒーを一本買う値段で70冊くらい買えます。 違うか。10,000円く…